三回忌_帰郷
父が亡くなって三年。月日は徐々に父の記憶を遠く薄いものに変えてしまったようで、住職の読経を聞きながら父と過ごした日々を思い起こそうと努力したが、生々しい記憶がすっかり消えてしまっていたので、驚いた。
笑った時の顔、怒った時の顔、若い頃の顔、年老いた時の顔、ご飯を食べていた時の顔、酒に酔った時の顔・・・・、何ひとつ浮かんでこない。
ただ漠然と「いい人」だったなぁと思うだけで、どこがどのように「いい人」だったのか、本人は自分の人生をどう評価していたのか、具体的なことが何ひとつ思い出せなくなっていた。
写真は携帯電話で撮影したもので、画像ソフトを使って絵画風に加工してある。息を止めて撮ったが、手振れが功を奏し、画像ソフトで加工すると御本尊に光が差し込んできたように神々しくなった。
当日の朝から吹雪で、車のワイパーを動かしても、どんどん雪が積もる。視界が悪く、交差点前で渋滞になってしまう。
「千の風」という墓碑銘があるが、この日、父は千の風ではなく、吹雪となって吹き荒れていた。
参列して下さった方からも、「吹雪になると(父の三回忌を)思い出すから、いい想い出づくりになったじゃないか」との言葉を頂戴した。
朝から五回も除雪をしているらしいのだが、駐車場も歩けないくらい雪が積もっている。
狛犬も雪を被って、シンガポールのマーライオンみたいに見える。
三回忌が終わり、外に出ると、さっきまでの吹雪が嘘のように止んでいた。母が「やっぱり(吹雪は)お父さんだったんだ」と呟いていた。
お寺での三回忌も無事に終え、その晩は(当たり前だが)実家に泊まった。一大行事だった三回忌も終わり、母もほっとしたようだ。
母との連絡に何かと不便なので、メールが使えるよう携帯電話をプレゼントしてきた。今頃、孫娘(姪)に使い方を教わっているだろう。
三回忌以外にこれといった用事もなく、翌日、帰路に着いた。
駅ビルも建て替えられ、昔の面影はない。勝手がわからず道に迷い、この街を離れて、かれこれ30年も経過したことを思う。
駅前は市電が走っていて、バスターミナルがあったのだが、今はただの広場。
駅ビルの中も、数年前に一度入ったことがあるが、どうなっているのか全くわからず、入り込むと迷子になってしまいそうだ。
空港へ向かう途中の駅で見かけた、駅弁ボックス。食べたことがないが、おいしいのだろうか。ホッキ貝って匂いがキツイ貝ではなかったろうか。営業はしていない様子だが、シーズン限定なのだろうか。
ということで、おしまい。だらだらとつまらないことを書いてしまった。
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