星に降る雪_池澤夏樹
結局、村上春樹の「1Q84」は途中で放棄。読み続けることができなかった。デビュー初期の三部作シリーズやノルウェイの森のような「夜を徹して読む」「あらゆる時間に優先して読む」という「勢い」がない。
大学生の息子は読み切ったそうだが、「面白かったのか?」と尋ねたら、「今回はハズレ」との返事だった。
今週は、池澤夏樹の「星に降る雪/修道院」。
初期の「スティルライフ」のような「透明感」「浮遊感」があるとの評判だ。明日も「海の日」で休み。今夜読み切るつもり。
男は雪山に暮らし、地下の天文台から星を見ている。
死んだ親友の恋人は訊ねる。あなたは何を待っているの?
僕らは何を待って生きているんだろう。
090720 追記:読後感想
相変わらず静かで端正な文章で、深い底に引き込まれるように、一晩で一気に読み終えた。
「暗くて絶望的」という読者評があったが、そうではない。世俗との接触を断ち、自己(もしくは死)を見つめて生きる(生きよう)という姿勢の主人公に共感を覚えた。
他者には「現実逃避」と映るのだろうが、人間、最後の重要な場面では、自己との対話が避けられない。自己の世界で「平穏」に暮らして行ける道が選択できたら、どんなにか幸せだろう。
人生の重要な問題になると、我々は孤独である。
そして、我々の真の歴史は、ほとんど他人には解釈できるものではない。
戯曲の重要な部分は独白である。
神と我々の良心と我々自身との討議である。
(アミエル)
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