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2009年7月

星に降る雪_池澤夏樹

星に降る雪

  結局、村上春樹の「1Q84」は途中で放棄。読み続けることができなかった。デビュー初期の三部作シリーズやノルウェイの森のような「夜を徹して読む」「あらゆる時間に優先して読む」という「勢い」がない。
  大学生の息子は読み切ったそうだが、「面白かったのか?」と尋ねたら、「今回はハズレ」との返事だった。

  今週は、池澤夏樹の「星に降る雪/修道院」。
  初期の「スティルライフ」のような「透明感」「浮遊感」があるとの評判だ。明日も「海の日」で休み。今夜読み切るつもり。

  男は雪山に暮らし、地下の天文台から星を見ている。
  死んだ親友の恋人は訊ねる。

  あなたは何を待っているの?

  僕らは何を待って生きているんだろう。

090720 追記:読後感想

  相変わらず静かで端正な文章で、深い底に引き込まれるように、一晩で一気に読み終えた。
  「暗くて絶望的」という読者評があったが、そうではない。世俗との接触を断ち、自己(もしくは死)を見つめて生きる(生きよう)という姿勢の
主人公に共感を覚えた。
  他者には「現実逃避」と映るのだろうが、人間、最後の重要な場面では、自己との対話が避けられない。自己の世界で「平穏」に暮らして行ける道が選択できたら、どんなにか幸せだろう。

  人生の重要な問題になると、我々は孤独である。
  そして、我々の真の歴史は、ほとんど他人には解釈できるものではない。
  戯曲の重要な部分は独白である。
  神と我々の良心と我々自身との討議である。
                                                                               (アミエル)
 

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自戒 「晏子之御_夫自抑損」

晏子之御夫自抑損

  人事異動があり、文字どおり「晏子之御」となる。
  齢五十を越えて自分が御者(車夫)になると思わなかったが、政治・経済を含め取り巻く環境がますます混迷を極め難しくなっていく現状で、尊敬する人(私にとっての晏嬰)の側でお仕えできることは素直に嬉しい。
   組織の先輩・同僚・後輩達が、こんな私が重責を担うことを祝ってくれる。期待されていることがヒシヒシと伝わりプレッシャーを大いに感じるが、名誉なことだと思う。

天下ノ広居ニ居リ、天下ノ正位ニ立チ、天下ノ大道ヲ行ウ。
志ヲ得レバ民ト之ニ由リ、志ヲ得ザレバ、独リ其ノ道ヲ行ウ。
富貴モ淫スル能ワズ。貧賤モ移スコト能ワズ。威武モ屈スルコト能ワズ。

  だが、所詮、御者は御者に過ぎず、身分の低い鞄持ちが晏嬰になれる筈もない。謙虚に与えられた御者としての役割を実直に真摯に精一杯果たすだけである。
  常に「夫自抑損」の気持ちを忘れず、肝に銘じようと思い、書道九段の同僚に色紙を書いて貰った。

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